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コラム
2019.06.10
野球肘の発生パターンは2種類。応急処置の仕方と治療方法を紹介
2種類の野球肘発生パターンと応急処置
①野球肘には2つの発生パターンがある。
-1 瞬間型
-2 継続型
②肘の中はこんな状態
③プロが見分ける骨に異常がある場合。
④現場での応急処置。
⑤昔と今の考え方の違い。昔はなかった今の最新治療法
野球肘には2つの発生パターンがある。
①瞬間型野球肘:この1球の投球と解る場合。
日本の野球のほとんどは1日の最初は軽い投球、キャッチボールから遠投、そして塁間の距離でクイックスローを行います。
朝グランドに集合した時には肘に痛みや違和感はありません。前日の練習でも問題なし。しかし、試合や練習などで強くボールを投げた際に急激に痛みがはしり投げれなくなる場合があります。
少し難しい言い方をすると瞬発的な外力により痛みが出現する。といった場合。中にはその後継続して投球できる場合もありますが、その数は少。その後痛みがどんどん増してくるケース。
②継続型野球肘:痛みの増減あり。遂に我慢できなくなる。
小学生から中学生まで。また現役を退いた草野球などで野球をやられている方の殆どは週末のみ投球。
平日に投球しない事で(安静に出来ている事)痛みが消失。そして週末投げるとまた痛くなる。これを繰り返す事によっていよいよ投球が出来なくなったケース。
肘の中こんな状態
①のケース(瞬間型野球肘)
では肘の内側や後ろ側に痛みが生じることがほとんど。肘周囲の靭帯や筋肉が急激に伸ばされたことによって筋繊維や靭帯繊維を一部を損傷している可能性がります。
また①のケースで痛みが発症した場合は剥離骨折や軟骨を痛めている確率が非常に高くなります。
最近の当院の症例では上腕骨と尺骨(肘の内側の骨)の骨の位置関係に異常が生じ肘関節の曲げ伸ばしをすることが出来なくなるケースがあります。このケースの場合、症状は重く、要注意が必要です。
②のケース(継続型野球肘)
痛みの増減を繰り返すのがこの継続型野球肘の特徴ですが、その期間が長ければ長いほど、肘の可動範囲が狭く、完全に肘が伸びないような状態になっています。
初期のケースでは肘の曲げ伸ばしで違和感や関節の奥がつまったような感じを覚えます。
緊急対応が必要なわけではありませんが、投球動作は必ず肘を伸ばしますので5割や7割程度の投球は可能な場合がありますが、全力投球はできません。
実は継続型になってしまう殆どは全く投球できないわけではない。という点が長期化させます。
プロが見分ける骨に異常がある場合
肘を伸ばすことができるか?
できない場合の殆どは骨に何らかの異常があります。
左手で右の手首を抑えていないか?(右投げの場合)
投球側とは反対の手で投球側の手首や前腕の中央部を抑えているか?
選手がこの姿勢を取ったら間違いなく骨異常はあります。
瞬間型と継続型どちらの方が骨に異常がある場合が多いか
圧倒的に瞬間型です。急激な外力によって(肘をのばしたこと)筋肉や靭帯が骨を剥がしてしまいます。特にキャッチボール時の遠投や外野のバックホーム、ピッチング、キャッチャーのセカンド送球などに多いと言えます
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応急処置:一番優先すべき点
①投球を中止させる
瞬間型であっても中には気持ちでその後何球か投球してしまう選手がいますが、そこをいち早く指導者が気づき中止させることが大切です。大体症状を悪化させて来院されます。
②アイシング
最初は温める、冷す。で論議されますが、絶対冷しです。
*アイシングの仕方。コツを解説した記事*
③安静:お腹のベルトやジャンパーのポケットに手を入れる
ベルトを緩めて痛めた側の手を突っ込みます。これにより肘が軽度屈曲位という安静にできる角度に保たれます。つまり負担のかからない安静姿勢を作り出すことができます。
昔と今では考え方が違う。
今年から採用された野球肘にならない為の「投球制限」ですが、これは継続型野球肘に対する対策になるため、瞬間型野球肘には何の対策にもなりませんので注意してください。
「投げすぎです。使いすぎです。」「OVER USE」と診断された場合は継続型野球肘。最初のキャッチボールで野球肘の内側に痛みがでた場合は瞬間型野球肘の可能性大。
「自分の時代は痛みを抑えて投げていた」
投げ方が悪いから痛みがでる。出ない投げ方を考えろ。と指導される方(当時はどうしたら痛みがでないのか自分で工夫して対処した方も多いと思います。)
私もそうでしたが実はそれが正しい反面、症状を悪化させる場合もあるという点を理解してください。
昔はなかった今の最新治療法
ところで、皆さんは三角形の面積を出すにはその公式を皆学びました。公式があいまいだったり計算間違いするからミスが起きるのです。
良い塾の先生はどこに間違いがあるのかを瞬時に見抜きますね。野球肘、野球肩の治療も同じです。
なぜ、野球肘の痛みが内側に?なぜ外側に?後ろ側に?当院は誤っている解き方(誤っている投げ方)を瞬時に見抜きます。どこが間違っているのかが分かれば修正する。修正して問題を沢山解く(投げる)。
【反復練習するから簡単に解ける様になる=考えなくても正しい投げ方が出来る】様になるわけです。
瞬間型野球肘でも継続型野球肘でもどちらでもしっかり対応致します。