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2019.10.27
野球肩は投球フォーム・動作を見直し改善する事が早期回復のポイント
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野球肩の治療はまず、投球フォーム・動作を見直す事が早期回復につながります。
①安静第一も大切。しかし、優先順位が必ず1番とは限らない。
②早期に投球フォームを改善させることが大切なもう1つの理由
③早期治療で投球時に大切な”ココ”が守れる
④治療や投球動作データの大半がピッチャー
⑤個人差のある投球動作。自分で考えても分かりません
⑥フォーム・動作を見直し改善する事が早期回復の近道な理由
①安静第一も大切。しかし、優先順位が必ず1番とは限らない
野球肩の治療方法は大きく分けて2通りあります。
一つ目は、日本の医療は西洋医学を主体としており今発症している痛みの部位に対して検査を行い治療を行います。
二つ目は東洋医学は全身から診察し痛みを取り除く治療方法があります。
野球肩の治療で指す”安静”の意味は”使いすぎ””投げすぎ”(オーバーユース)によって痛みが発症しているので使わないでください。”安静にしてください”という意味なのです。
整形外科やクリニック、総合病院から整骨院・鍼灸院を受診すると大抵”安静”と言われます。しかし、この”安静”は必ずしも正しい、最も早く治す方法ではありません。安静以外の治療例を参考に挙げました。
検査方法
①MRI
②超音波検査
③レントゲン
電気治療
・電気治療・微弱電流や低周波・干渉波
・レーザー治療
・ヒアルロン酸注射
・手術
運動療法
・肩甲骨のストレッチ
・股関節のストレッチ
・筋力トレーニング(アイソメトリック運動・アイソトニック運動)
・バンドを用いたインナーマッスルトレーニ ング
・ボールを投げたストレッチ
治療家(病院)の指導方法
・安静
・投球制限(球数制限)
・投球中止
・素振り中止
・様子を見る
・投げながら治す
安静第一が必要な場合もありますが、優先順位の1番ではありません。安静にしながら電気治療を行い、ストレッチや筋力トレーニングをすることを同時進行する事を勧めます。
原因と結果の一致が早く治す
まず、東洋医学的に投球フォームを全身から診察し原因を探ります。その後、西洋医学的視点で今発症している痛みを取り除きます。
投球フォームを全身から診察し解析することで部分的に発症している今の痛みに対して治療する事で”原因=結果”が一致します。
また発症している痛みの原因が明らかになる事で自身で気をつけながら投球を開始する事が可能になります。
安静にしていた場合
今発症している痛みを取り除く事は可能ですね。しかし、ボールを投げたことで発症した肩の痛み。
フォームを見直さず痛みの部分のみに対して治療=安静にしていた場合どうでしょう?
この様なケースの場合、痛み自体は消失しましたが、投球開始後早々に再発する可能性が高く報告されています。理由は単純です。原因から取り除いていない為、再発率が高くなるのです。
つまり最善の治療法ではありません。優先順位1番ではないのです。
②投球フォームを改善させることが大切なもう1つの理由
投球動作・フォームを改善させる事が大切なもう一つの理由として”指先の感覚低下”があります。
痛めて投球を中止したり安静にしていると、”投げ方を忘れてしまう”のです。
このため、投球イップスに移行するケースが一番多いのです。当院でも”イップス専門治療”を行っておりますが、いつから?という問診に対しての殆どが”安静”の後、投球開始するもその時には過去の自分の投げ方が分からなくなり、試行錯誤した。
しかし上手く投げれる事が出来なくなった。という理由が7割以上を占めております。
③早期治療で投球時に大切な”ココ”が守れる
安静の期間が長ければ長いほど、投げ方を忘れてしまう確率が高くなります。過去に野球を経験されていた方(指導者)や1度野球肩になった事のある選手であれば気付いていることがあります。
それは投球リリース時にボールが指先にかからなくなるという点です。この指先にひっかからなくなってしまうと、全力投球が可能になるまでには長期期間を要します。治療期間中の再発率も高くなり、痛みがでればまた”安静”にしなくてはならないという最悪の負のスパイラルにはまるケースが存在します。
理由が分からず痛みが再発を繰り返すわけですから最悪”手術”しましょうという話になります。
選手生命を守るために
3か月以上治療を継続して全力投球できないケースは”ここにポイント”があります。セカンドオピニオンやサードオピニオンをお勧めします。
そして完治させる為には早期に原因を突き止めその結果出現している肩の痛みを消失させる事が寛容です。
④治療や投球動作のデータの大半はピッチャー
接骨院北原が研修時代(野球現役時代は除く)教科書や参考書を読んで驚きました。
どの文献も野球肩に関する内容は”ピッチャー主体”という事です。野球は9人。
ピッチャー以外の選手の投げ方(フォーム)は全て異なります。小学生(学童野球)ではピッチャーとキャッチャーが交代する場面は多く見受けられます。大抵、肩の強い選手です。
ピッチャーとキャッチャーでは投げ方は全く異なりますが、セカンド送球など”強く投げる”という点は同じに求められます。
野球肩の治療では原因に対する投球動作の改善が必要と断言できる理由を当院が11年間データとして取り続けた*当院独自のデータです。
”野球肩を治す事が難しい”ポジション”ランキングにまとめました
①ショート
②キャッチャー
③センター
④ライト
⑤レフト
⑥サード
⑦セカンド
⑧ファースト
⑨ピッチャー
以上の順です。一番や早く治療が完治できるポジションがピッチャーなのです。他の8人、8つのポジションへの投球動作・フォーム改善が急務なのです。
またピッチャーに対しても”サイドスロー””アンダースロー”投げ方が異なります。全てのポジションと投げ方全てに対して投球動作を解析し痛み発症の原因を突き止める事が現在は可能です。
個人差のある投球動作。選手が自分で考えても分かりません。
ボールを投げて野球肩になった場合。野球経験者であっても本人自身が考えても決して分かりません。
これは投球動作をチェックする際、どうしても”綺麗なフォーム”を求めてしまう為です。また画像や動画で投球フォームをチェックした場合、そのフォームが自分に合っているフォームかはもっと分かりません。
どの医療機関も勘違いされているのは
*綺麗なフォーム=痛みが出ない。大間違い!
この点を分けて治療に取り組まなければ早期改善は困難でしょう。最近は動画でも解説されておりますが、どの動画で研究されても答えは見つかりません。だから野球肩は長期化するのです。
美容的要素と治療の為の"フォーム改善"は言葉は同じでも意味が異る
”どこ”が痛みに”繋がっているのか”をはっきりさせる事が大切です。やはり”安静”では発見することができません。
フォーム・動作を見直し改善する事が早期回復の近道な理由
西洋医学を用いて超音波画像(エコー検査)で疼痛部分の異常を検査します。映し出された画像をもとに東洋医学的視点から全身をチェックします。
シャドーピッチングを行い投球フォーム・動作のワインドアップ期・コッキング期・アクセル期・フォロスルー期のどこの部分で痛みを発症させているのかをチェックし確認します。
痛みの原因と結果が一致したら原因を取り除くためにフォームの修正を行い、実際にネットスローを試みます。すると、正しいフォームで投球できると痛みは皆無。間違ったフォームで投球すると痛みが発症する。現象が起こります。つまり、投げながら治す事で正しい投球フォームが認知されるのです
だからこそ”安静”という指導が適さないのです。投げる事で回復するのは肩だけではありません。
選手個人の投球動作を再認識でき、忘れる事もありません。さらに指先の感覚低下を最小限に抑えることによって
肩の痛み消失=全力投球が早期実現
するのです。
これが投球動作改善が早期回復の近道と断言できる理由です。