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コラム
2020.11.11
関節唇損傷(SLAP損傷)治療方法の1つ。投球開始までの治療法と解決策
野球選手に多い野球肩:関節唇損傷(SLAP損傷)の治療法と投球開始まで
この記事を読んでいる方は恐らく、かなり悩まれていると思います。
ご自身の発生機序と症状をよく照らし合わせてみてください
そして解決方法の一つとしてご提案する治療法をお話を致します。
ー 肩関節の特徴
ー 野球選手:SLAP損傷(関節唇損傷)
ー 肩関節の構造
ー 関節唇損傷(SLAP損傷)の見極める徒手検査法(テスト法)
ー SLAP損傷の原因と治療方法
ー 注意
赤○部分がSLAP部分(関節唇上部)
肩関節の特徴
肩関節は360°回旋する球関節で可動域が広い点が特徴と言えます。しかし、自由に動きやすい関節が故にその反面損傷を受けやすいというデメリットもあります。
特に肩関節を使う野球選手やバレーボール選手、テニスやバトミントンに多く発生します。稀に水泳(背泳ぎやバタフライ)の種目によっては発生する可能性があります。
野球選手の場合:特に関節唇損傷(スラップ損傷)が発生し易いポジションはダントツ1番投手ピッチャーです。原因は投げ方にありますので野手にも発生します。
野球選手:関節唇損傷(SLAP損傷)
野球肩の多くは少しずつ違和感→痛みと徐々に痛みが増してきますが特徴として1球投げただけで発症します。
さらに詳しく言えばピッチャーが変化球特にカーブを投げた際に発生する確率が高いと言えます。(当院の集計上)
ストレートでは起きにくい理由は割愛します。
肩関節の構造
肩関節は肩甲骨と上腕骨で構成されています。この2つの骨の接着面を広げる為にあるのが”関節唇”です。
赤い〇
<関節唇の役割>
上腕骨(骨頭)と肩甲骨関節窩の接着面を広げる役割をする関節唇は骨頭に対して関節窩のサイズが約3分1程度な事からその不安定なサイズを補うための軟骨組織です。
その痛み!?関節唇(SLAP)を痛めているのかな?
関節唇損傷(SLAP損傷)の見極める徒手検査法(テスト法)
1)
①手関節回外(手の掌が上)
②肘関節伸展(完全に伸ばす)
③肩の高さまで前方に挙げる
③-2:さらに耳の横程度まで挙げる
2)
①手関節回外(手の掌が上)
②肘関節伸展(完全に伸ばす)
③肩の高さまで横に挙げる
③-2:さらに耳の横程度まで挙げる
この1、2両方行って頂き③、③-2で肩関節の前側に痛みや違和感、可動域制限が生じている場合は関節唇損傷を疑います。
<超音波で観察>
赤○を左斜め➡の角度から撮影した画像
赤と青の点が炎症部分
関節唇損傷(SLAP損傷)原因と治療方法
原因
上腕二頭頭筋や関節上腕靭帯と関節唇が繋がっているため左記の筋肉や靭帯が引っ張られる事により関節唇に負担がかかり痛みが発生します。
関節唇損傷(SLAP損傷)の治療方法
一般的には
安静を第一とし野球選手で言えば投球動作を中止し、痛みが緩和してきたら運動療法に切り替え徐々に投球を始めていくのが主流です。
しかし、大半の関節唇損傷(スラップ損傷)は1~2ヵ月たっても残念ながら症状の大きな変化は得られていないのではないでしょうか
痛み評価法(最初の痛みを10➡現在7or8)
結果:治療後は多少良い。投球は×
投球に関して言えば、1~2ヵ月程度安静や電気治療等を行っても完全投球は困難です。
結果、手術を勧められるケースも良くあります。
もう一歩踏み込んだ治療方法
何故、上腕二頭筋や関節上腕靭帯が引っ張られてしまうのかを検証する必要があります。
引っ張られてしまう何かが肩関節の中で起こっているがために投球動作時や肩関節を回した際に痛みが生じるわけですから、そこを
POINT
引っ張られない様にしてあげれば(引っ張られない角度や位置)関節唇に負担がかからなくなり投球を開始する事ができるのです。
治療前と治療後にもう一度
徒手検査法と実際にネットスローを行い患者さんに評価をしてもらいます。
評価1)
評価2)
▼どうぞご相談ください。
*注意*鑑別*
*関節唇損傷(SLAP損傷)と同時に併発しやすい上腕二頭筋長頭腱炎の程度
これにより早期投球開始出来るか否かが決まります。
炎症が強い場合は一定期間(程度による)安静を取り投球を開始致します。実際の診察と触診、当日のエコー(超音波検査で判定)検査を総合的に加味し精査致します。
下記の画像の赤点や青店の程度なら当日より投球可能です。