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コラム

2020.03.18

野球肩の治し方。学年別発生原因と治療方法を教えます。

野球肩の治し方。小学生、中学生、高校生、草野球まで

①野球肩とは

②野球肩の種類

③発生年齢

④発生原因

⑤治療の方法

⑥治療期間

⑦治療で起こる問題点と解決方法

 

野球肩とは

野球選手が繰り返し投球することによって肩関節に負担がかかり関節周囲の筋肉組織(インナーマッスル:棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)

や肩甲骨と上腕骨の結合を助ける関節唇、他の軟部組織を損傷し炎症が起きている状態や靭帯が骨との間で挟み込まれ痛みを発症しているなどを総称して「野球肩」と言います。

 

野球肩の種類

①インピンジメント症候群

②上腕二頭筋長頭腱炎

③三角筋損傷

④骨端線離開

⑤剥離骨折

⑥関節唇損傷

⑦インナーマッスル損傷

野球肩の発生年齢

小学生から高校生までの発生率が最も高く、大学生以上になると発生率が低下します。

また現役を引退した大人が行う草野球の現場においても野球肩は発生します。

つまり、野球を行っている以上どの年齢においても発生しない事はありません。

 

野球肩の発生原因

①投げすぎによる(オーバーユース)

②肩に負担のかかる投球フォーム

③肩関節周囲の柔軟性の低下

④1人数ポジションによる投げ方の違い

⑤前回の投球から期間が空いた場合

⑥ボールの大きさや重さの変化

 

年代別に野球肩の発生原因を挙げていきましょう。

 

 

小学生で多い発生原因

小学生の内は未だポジションが統一されず、主力選手は1人で2ポジションから3ポジションを守ります。

また、最近は少子化に加え1人が1日で投球できる数に制限をもたせた投球制限が導入されたことにより今までピッチャーをしたことの無かった選手まで投球する事が増えています。

結果投げすぎてしまう事が多く負担になっています。

 

中学生で多い発生原因

小学生(学童野球)においてはJ球を使用していますが、中学生になると軟式のチームもしくは硬式のチームに入るかを選択しなくてはなりません。

ここで最も多い発生原因としてあげるのは「ボールの重さや大きさ」が変わる事によって握り方や余計に力を入れて投球しなくてはならず、身体がまだ出来上がっていない選手にとっては力みやすくなることで投球フォームが変わり肩関節に負担が余計に加わり痛めるケースが多く見られます。

 

また新チームに入る事で小学生の時に慣れていたポジションから他のポジションに変わる事で痛めてしまうケースも多く見られます。

 

*小学生や中学生の年齢では特に骨が柔らかく筋力に骨が負けてしまう事で発生率は高まります。

 

高校生で多い発生原因

高校生になると殆どの選手のポジションが決まってくることや骨自体の強度も大人の骨に近くなり発生しにくい様に感じますが、決してそんなことはありません。

 

高校生は毎日練習を行っている学校も多くあります。たとえ毎日ではなくても週に1回程度のオフが殆どです。このため、投球数は必然と多くなります。

投げすぎによるオーバーユースが発生原因となりやすい傾向。

 

また時期にもよりますが、定期試験が近くなると試験1週間前には練習フとなり、身体を休められる一方で前回の投球から期間が空いてしまう事によって発生するケースもあります。

 

ほぼ毎日使用していた筋力や指先の感覚が低下する事によって定期試験終了後の練習で投球フォームを忘れてしまっていたり気づかないところで投げ方が変わったりしてしまい痛みが発生する事です。

 

草野球で最も多い原因

草野球というと趣味程度に感じられるかもしれませんが、県大会出場するクラスから運動不足解消レベルまで様々です。

 

現役を一旦退いた方は毎日野球をやっているという方は少なく投球をする頻度も少ない為、前回の投球から期間が空いてしまったり、人数の関係でポジションが毎週変わる事も頻繁にあります。

また、普段からストレッチをしている方も残念ながら少なく発生原因は個々様々です。

 

治療の方法

①投げすぎによる(オーバーユース)

⇒一定期間安静

 

②肩に負担のかかる投球フォーム

⇒フォームを見直す

 

③肩関節周囲の柔軟性の低下

⇒肩関節周囲のストレッチ

 

④1人数ポジションによる投げ方の違い

⇒ポジション別の投球フォームを訓練

 

⑤前回の投球から期間が空いた場合

⇒投球できなくてもボールに触れておく

 

⑥ボールの大きさや重さの変化

⇒力まず軽い投球で手とボールの感覚を養う

 

①‐⑥を実践し下記のリハビリを平行して進める

 

①電気治療

(低周波・干渉波・超音波・レーザー)

②アイシング(冷)

③ホットパック(温)

④ストレッチ

 

治療期間

早いケースでは3週間前後長いケースでは6か月~1年程度かかる事もあります。

その選手の置かれている状況や年齢、練習の頻度等によっても変わります。また1週間に何回治療をしているのかも大切です。

 

期間ばかりに気にされる方が多く感じますが、1週間に3回~4回治療を受けている選手と1回しか治療していない選手では効果、回復のスピードが異なる事は容易に理解できるでしょう。

特に医療機関に指示されていない場合は先生に指示をもらうと良いと思います。

3か月以上経過、リハビリを行っても中々改善されない場合はセカンドオピニオンをお勧めします。

 

治療でおこる問題点と解決方法

投球中止・安静の裏で起こる隠れた問題点

一定期間投球を中止させ安静にしていると”今”発生している痛みを取り除く事は可能ですが本当の原因解決にはなっていません。

 

これによって痛みの消失したから投球開始の許可が出たとしても投球開始後早々に再発する可能性が高くなります。

 

その理由はここ!

野球経験のある方しか気付かない部分

指先の感覚低下

安静の期間が長ければ長いほど、投げ方を忘れてしまう確率が高くなります。

投球の最後は指先、中指と人差し指の先端をボールの山や縫い目に引っかけて力を出します。

この時、指先に上手く引っかからず力が抜けるような感覚になります。

その為、指先の感覚がもとに戻るには球数を投げていかないと感覚が戻ってきません。

 

その為、別の部位に痛みが発症するケースも多くまた投球を中止しなくてはならなくなる負のスパイラルにはまるケースも多くあります。

 

お問い合わせ

https://bones-kitahara.com/contact/

 

投球フォームを忘れる

日常的に痛みなく投球できている時自分の投球フォームを見直す事は殆どありません。

その為、痛みが出現し安静や投球中止を言われるとそこで初めて自分のフォームを動画にとって研究し始めます。

 

しかしそもそも以前のフォームが分からない為、悪いと思っている今のフォームを自分なりに修正します。

しかし、それで上手くいくことは残念ながらありません。その為、修正に修正を重ね、何が悪くて痛みが出ているのか分からなくなり、投球フォームを忘れてしまう事があります。

 

解決方法

原因と結果を一致させる事が一番の解決方法

まず、痛みの発生している部位(骨?靭帯?腱?筋?)をしっかり特定します。そこで”今”発生している痛みを取り除きます。

そして、発生部位に対して投球フォームのどこの部分が原因でその結果痛みを発生させているのかを見極める事が大切になります。

 

 

”原因”(投球フォーム)=”結果”(今の痛み)

 

完治させるためには期に原因を突き止め、その結果出現している肩の痛みを消失させ、指先の感覚低下を最小限にする。またボール遊び程度でも構いませんのでボールに触れている事が重要になります。

 

ストレッチを含めたリハビリも勿論大切ですが、治療方法の選択によって起こり得る大きな問題点も隠されていることに注意が必要です。

 

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